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こんにちは!奥津です!
ソーダさんの世界観が好きで、自分もコラボした小説をいくつか発掘しましたので、掲載させていただきます!
まずは、僕の大好きな現場作業員のタツヒコさんです!!
タツヒコさん短編01
「おはよー」
「お疲れ様です。」
「今日も早出やで…」
「おーい、搬入もう来てるぞー」朝。共存地区の外れにあるとある地区で、多くの職人が本日の作業の準備をしている。
人間の手先の細かさを活用した精密機械の建替え工事が行われているのだ。
工場はそれこそ人間用から巨人用まで。
巨人が使うものもある為、去年立て替えが終わった工場新館では20階建て以上の建物の中で人間作業員たちが機械の組み立てや検査を行う傍ら、
巨人作業員が機械の基礎部分を巨大なスパナや道具を使って組み立てたり、出来た機械を搬出していく。タクマ「ありがとうございましたー!」
水色の制服を着た、童顔の巨人配達員がにこやかに挨拶した。
巨人専用入り口の警備員室のある10階の人間警備員がにこやかに手を振る。
彼はオオヒト運送のタクマくん。
この工場に人間では運べないほど大きな機材を搬入したばかりだった。タクマが巨人用通路を歩いてると、目の前からタクマより巨大な人影が見える。
二期工事の現場に向かう長い道路を機材を積んだトラックが往来する中、その横の巨人用通路をトラックよりでかい安全ブーツを履いた足が、ずしん、ずしん、ずしん!!
と、軽快なリズムで、しかし重厚感たっぷりに歩いてくる。
タクマ「あ、タツヒコさん!」
タクマが笑顔で会釈した。
タツヒコ「おぅ!タクマ!!久しいな、元気か?」
タツヒコと呼ばれた、トラックより巨大な安全ブーツを履いた巨人がにこやかな笑顔で答えた。
少しだけしわが寄り始めた目元を細め、褐色の顔を綻ばせる。
繋がったラウンド髭にワイルドな風貌。グレーの作業着が少し汚れている。この現場で働いている、作業員のタツヒコだ。
右手には作業用のバッグに黄色のヘルメットが、左手には食いかけた握り飯と、バスが握られている。タクマ「お久しぶりです!どうしたんですか、バスなんかもって。」
タツヒコ「あぁ、これか?今日の朝飯だよ。」
バスの中からきゃーきゃーと楽しそうな声が上がった。
中年の人間が顔を出し、「こらこらタツ!ふざけるんじゃねぇ!」と、声を描ける。タツヒコ「はは、すんませんおやっさん。
ウチの新人でさ。今日遅刻しやがってみんな出発が遅れたから摘んできたんだよ。」
タクマ「あはは、そうなんですか〜」
タクマはすこし屈んで、バスの中を覗き込んだ。
数人の若い職人がタクマに手を振ったり話しかけている。タツヒコ「おっと、そろそろ朝礼だ。じゃあなタクマ。
タクトに行っといてくれ。お前さんとソウタに迷惑かけるまで飲むんじゃねぇってな!」
タクマ「あー!こないだタクトと飲んでたのタツヒコさんだったんですね!?」
タツヒコ「あ。あ、いや、あはは、じゃ、じゃあな!」
タツヒコは焦った様に愛想笑いを浮かべると、そそくさと歩き出した。
おやっさんが「もっと静かにあるけ!」と檄を飛ばした。「◯◯建設、作業員10名!搬入無し!」
「◯×建設、作業員5名、搬入、10時より搬入しまーす。タツヒコさんお願いします。」朝礼。
作業員は統括のゼネコンの前で整列し、作業内容を述べていく。
タツヒコも列の最後尾に立つ。他の巨人作業員も何人か並び、足下の朝礼を見下ろしている。彼等のブーツだけで、人間作業員の列より大きい。
ブーツの先っぽの部分に多くの人間が入れるほどだ。
とても目立つため、欠伸でもしよう物なら怒られてしまう。タツヒコは必死に欠伸をかみ殺した。初老の所長が挨拶する。
最後に、「じゃー今日の荷揚げはタツヒコさんですね。お願いします。」
タツヒコ「おっす!」
タツヒコが元気よく返事した。
朝礼が終わり、タツヒコは注意深く建物際に腰掛ける。
新築の建物への荷揚げを行う為だ。
整地した部分が沈まないよう、巨大な鉄板が敷かれているが、ここ一ヶ月タツヒコが座っていたためタツヒコの尻の形に凹んでしまっている。タツヒコ「よっこらしょっと…」
監督「よー、タツさん、今日も頼むよ〜」
タツヒコ「へーい。」
タツヒコの足下にトラックで鉄筋やコンクリート、室外機や発電機、屋上緑化用のショベルカーまでちまちまとやってくる。
タツヒコが摘んでしまうと簡単に捻り潰してしまう為、タツヒコは地面に分厚い掌を差し出す。ずしん…
その分厚さだけでも、人間がえっちらおっちらと登るほどだ。
数人がタツヒコの掌に乗ると、ユニック車やクレーンでタツヒコの掌に荷物を載せていく。タツヒコ「ひひひwちょっとくすぐってぇなぁ」
作業員「動かないで下さいねー!こないだ若い巨人さんにあげてもらって大変だったんですから!」
タツヒコ「あぁ、おとついまで来てた奴だっけ?」
作業員「そうです!くすぐったかったみたいで、指先でうちのトラックの荷台が弾き潰されちゃったんですから!」
タツヒコ「おぉ、そりゃすまねぇ…」
作業員「いいですよ〜、すぐ直りましたからねー。でもタツヒコさんも気をつけてね!」
タツヒコ「はいはい。」
タツヒコは炎天下の中、ひょいひょいと人間では持ち上げれない荷物を持ち上げていく。
タツヒコから見たら玩具の用なショベルカー、コレはさすがに丈夫なので指で摘んでひょいと持ち上げるだけで大丈夫だ。タツヒコ「はいよ。」
タツヒコは屋上の造園業者にショベルカーを下ろしてやる。
ここは巨人から見ても楽しめるよう、植物で絵を書く様なデザインになっているようだ。
人間サイズの低木で絵を描き、両極には巨人サイズの低木が、それこそ人間サイズの高木のように植えられるデザインのようだ。タツヒコ「植物、今日入れるのか?」
造園工「ですね〜。後でマサキさんに持ってきてもらうんで、タツヒコさん大丈夫ですよ〜。」
タツヒコ「おう!了解だ。」
さて、搬入もそろそろ終わり。
タツヒコは指ほどの人間がちょこちょこと作業しているのを見るのが好きだ。
タツヒコでは指も突っ込めないほど小さく脆い建物の中で、ちっさな人間がちょろちょろと動いているのは可愛い。
みな、タツヒコが指一本で動かせる鉄筋を機械を使いながら一生懸命に持ち上げている。ちなみに建物外角は巨人が乗っても大丈夫な頑丈な構造に対し、中身を人間が組み立てるのは、全て巨人の強度にあわせてしまうと人間では容易にリフォームや解体が出来なくなってしまうからだ。
その様子が、人間と巨人の友好の縮図な気がしてタツヒコは嬉しい。
タツヒコが少し微笑みながらその様子を見ていると、監督が声をかけた。監督「ご機嫌だね、タツさん。」
タツ「そっか?そうかもな。」
タツヒコは微笑んだ。
10時の小休止。
作りかけの屋上緑化の周りにゾロゾロと人が集まり出した。「タツさーん、お願いしまーす。」
タツ「お前ら、人をエレベーター代わりにしやがって、ったく…」
といいつつ、甲斐甲斐しく背中を丸めて掌に乗った作業員達を足下に下ろしていく。
作業員は珈琲を飲んだりタバコを吸ったり。タツヒコも水筒を取り出して中のお茶を飲んだ。
タバコは口やかましい幼なじみのおかげで吸えていない。
良い様な、悪いような。某巨人「お前は昔っから素行がやんちゃなんだから、身体に悪い事はもう止めろ!」
タツ「ってな具合で禁煙中でぇ…」
タツヒコは苦い顔で、あぐらで座って顎に手をあてる。
それでもベランダの休憩所と同じほどの高さだ。
屋上で煙草を吸う仲間に話しかけるタツヒコ。
職人達ががははと笑った。「災難だなぁタツ。嫁がいる訳でもねぇのにw」
「いや、そいつが嫁なんじゃねーか?」
タツ「…そいつは勘弁してくれ…」
タツヒコの苦い顔に、皆がまた笑いあった。
休憩中。
タツヒコが感得いんがトラックで運んできた特大の珈琲缶を片手に、旧棟の解体作業の打ち合わせをしている。数人の監督が屋上でボードを使ってタツヒコに作業ルートを説明していた。
タツヒコは立って目線と同じサイズの彼等の話を聞いている。そのとき、
屋上のトビ職の若い2人がふざけあっていた。
タツヒコの膝ほどだが、危ないなぁと思っている矢先、一人が「うわあああ」
足を滑らせた。
タツヒコは足を伸ばした。
ずしん!!!
タツヒコの踏み込んだ足が搬入用道路に踏み込まれ、アスファルトが破裂する様にめくれ上がる。
走っている車からは、旧に巨大なブーツが踏み潰す様に迫ってくる恐怖。
数台の車が急停止してタツヒコの巨大なブーツの前で行列を作った。「うわああ?!…あれ?」
落ちた若い鳶職がおそるおそる目を上げると、巨大なタツヒコの掌の中だ。
現場の全員がその様子を見張っていた。
タツヒコが腕を伸ばし、何とか落ちずに住んだ。のだが…
そのまま掌の上に乗せられた鳶職。もう一人も巨大な指に問答無用に摘まみ上げられた。
「うひゃああああ」
「な、なになになに!?」彼等が目を開けると、巨大な掌の上で、遥か上空。
目の前には巨大なタツヒコの顔が、怒りの表情でこちらを睨みつけている。タツヒコ「……この…大バカ野郎ども!!!!!!
仕事中にふざけてんじゃねぇ!!!!!」
タツヒコの怒声は、窓を割らんレベルで響いた。
あまりの声にゼネコンの所長から工場長まで皆転がる様に飛び出してきた。タツヒコ「いいかお前ら!!!
今回は俺がいたから助かったけど、
ヘタしたら怪我じゃすまねぇんだぞ!!!
お前さんらの両親や仕事仲間の事も考えろ!!!!」
温厚なタツヒコからは考えられない様な怒声が響く。
ぐしゃああああ!!
怒りのあまり、片手の珈琲缶が握りつぶされ、破裂する様に珈琲の雨が周囲に降り注いだ。
その迫力とタツヒコの怒りに満ちた表情と声に、掌の2人は手を取り合って泣き出してしまった。
周りもあまりの迫力に口を挟めないでいると、所長がすたすたと歩いてきて拡声器を構える。所長「おーい、タツヒコ君、もうその辺で!!」
タツ「…あ…」
所長「もうその子たち、落ちるより恐い事体験しちゃってるから。」
所長があははと笑った。
掌を見れば、泣きわめく若い職人と握りつぶした珈琲…「すまなかったタツヒコ!!本当にすまない!!」
鳶職の親方が若い2人と頭を下げた。2人はまぁ見るのも可哀想なくらいに青ざめている。
タツヒコ「す、すまねぇ、俺も頭に血が上っちまって…
お前さん達、言い過ぎたよ。すまねぇ…」
若い監督「…俺、タツヒコさんに指示出すの恐くなってきました…」
所長「なに、タツヒコ君、昔に比べりゃ丸くなったよあはは。」
若い監督「…」
昼。
タツヒコの、人間だったら数十人は楽に収容出来そうな鞄の中から巨大な弁当箱を取り出した。
さっきの某幼なじみの特製…ではないが、奴に作ってもらったオカズも数種類は言っている特製弁当だ。すこし熱くなってきたので、新築工事予定の場所に巨大な作業着を置き、ぴっちりとした黒いインナー姿でがつがつと飯を食べていく。
職人「タツさん、すげー身体…」
タツヒコの筋肉質な腕と胸に、職人があきれた様な声をあげる。
タツヒコ「そか?でもまぁ身体が資本だしなぁ。」
親方「その割には腹回りが出てるな。ビール控えたらどうだ?がはは…」
タツヒコ「うげ、おやっさん、そりゃ無いっすよ…」
新棟工事予定地はタツヒコが楽に横になれるほど広い。
ブーツで建物を蹴り壊す心配も無いほどだ。
タツヒコが横になってしばらく寝るか…と思っていると…職人「タツさん、タツさん!お腹に乗せてくれよ!」
タツ「お前ら、今度は俺を布団扱いしやがってw」
タツヒコは一人一人摘まみ上げると、腹に乗せてやる。
ぴっちりとしたインナーの上に数人がごろんと横になった。
見上げれば、タツヒコの盛り上がった胸と、その先に髭の生えた男らしいタツヒコの顔。
向こうには監督にプレハブより太く巨大なタツヒコの足が見えた。「ぷにぷにしてあったかい…むにゃ…」
「ぐーぐー」タツヒコ「…」
密かにダイエットを誓うタツヒコであった。
因みにいっておくと、今年に入って30回目のダイエットの誓いである。タツヒコ「…じゃあイくぞ…」
退避完了の知らせを受け、3階建て、タツヒコの膝ほどの工場の前で構えるタツヒコ。
午後からはこの旧棟の解体だ。タツヒコが踏み潰し、分別して捨てる。人間がやればたっぷり二週間は見なければならない工程が、タツヒコのパワーを持ってすれば2日で終わる。
タツヒコの心は心持ち昂揚していた。
建物を踏み潰す事…それに密かな快感を感じているからだ。タツヒコのブーツが持ち上がると、旧棟にタツヒコの太い太ももとブーツの影がかかった。
ぴたっと、そのブーツが建物の上空で止まる。タツヒコ「…おりゃ!」
タツヒコの一言と共に、ブーツが踏み下ろされた。
ぐしゃぐしゃぐしゃぐちゃ!!!!
タツヒコのブーツは屋根と各階のフロア、配管を一機に圧し潰し、一階まで踏み抜いた。
フロアはブーツ周辺で大きく陥没し、パイプをゆがめ、梁を壊す。
中ではものすごい風圧が置き、内側から全てのガラスが割れとんだ。タツヒコ「もういっちょ!」
タツヒコは勢いよくブーツを抜いた。
人間では運び出すのに何日もかかるほどのコンクリートの固まりをあっという間に持ち上げると、
さらに巨大なブーツを建物に喰らわしていく。ぐしゃ!
二回目のブーツで屋根は大きく陥没し、中が自壊を始めた。
タツヒコは内心もったいない様に、何度も建物を踏みつけていく。ぐしゃあ!!
ずがん!!
時にはブーツで床を踏み抜いたまま左右に踏みにじってみたり、中身ごと蹴り飛ばす様な感覚で建物を破壊していく。
内心、下をぺろっとだしほのかな笑みを浮かべるタツヒコ。
足の裏の微細な刺激が心地よい。そんな事で、三階建てのビルはあっという間に倒壊した。
タツヒコはまだ残っているコンクリートや梁の上にブーツを乗せて、ぐしゃぐしゃと踏み潰していく。
分別がしやすい様にだ。鼻歌を歌いながら、時に首のタオルで汗を拭きつつ軽快に破壊していく。
終わったら特製の熊手を使い、鉄骨とコンクリートに分け、コンクリートの山はさらに踏み砕いて砕石として使える様にした。その様子を見ていた若い監督君。
「いやー、怪獣映画とかみるより迫力でしたわ。」さて、そんなこんなで現場終了。
タツヒコは鞄に荷物をまとめ、部屋に戻った。
あの後タクトはソウタとタクマにそうとう絞られたようで、今日は飲めないようだ。リクは訓練、タスクも仕事でいないとなるともう部屋で一人で飲むか、と冷蔵庫を開けた。
今日は人間の数人が一緒だ。巨大な揚げ物と、人間が泳げるほど巨大なビール瓶。
タツヒコはひとっぷろ浴び、ご機嫌でビールのプッシュを開ける。
風呂上がりのタツヒコの身体。火照った身体は筋肉質で、多少脂肪は乗っているが若々しくリクやタスクやキョウイチにも負けない。
タンクトップにジャージと、見るからにおっさんの格好では有るが、タツヒコほどの肉体で有れば見応えも有るというもの。人間の上に翳すと、人間たちも缶を高く持ち上げた。
タツヒコ「じゃーかんぱい!」
職人「かんぱーい!」
タツヒコが、ごくっごくっと喉を鳴らしてあっという間に一便分を飲み干した。
タツヒコ「っか〜!うめぇ!!!」
つまみに手を出し、机の上でちょこちょこ動く最年少の人間を見ながら、親方や若いのと笑いあった。
あっという間に二本目を飲み干し、三本目に手を出すタツヒコ。親方「おいおい、ダイエットはどうしたんだよw」
タツヒコ「おやっさん、かてぇこというなよ!!明日からだ、あした!!」
上機嫌のタツヒコは机に突っ伏して寝てしまった。
親方がリクに電話をかけると、リクがすぐにやってきた。リクはすまなさそうに平謝りすると、900tはあるタツヒコをひょいと持ち上げて人間が野球が出来るほど巨大な万年床の布団に放り込んだ。
リク「全く、幸せそうな顔しやがって…」
リクはそういって苦笑いした。
タツヒコが寝てる中、リクがメンバーを掌に乗せて部屋を出ようとしたそのとき、がっしゃーん!!
タツヒコの寝相の悪さがちゃぶ台にクリーンヒットした。
派手に机がヒックリ返り、缶やら皿が当たりに飛び散った。「俺たち後一分あそこにいたらマジで踏み潰されてたかも…」
「ったく、のんきな顔でいびき書きやがって…」リク「…いやー本当にすみません…」
こうしてタツヒコの一日は過ぎていくのだった。
おしまい★
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